キスして抱きしめて

だから　いつも

キスして　抱きしめて　「愛してる」って言って

もっと　ギュッと　強く　抱いて　胸が　苦しくなるほどに

あなたの背中に手をまわし　顔　胸に埋めて

この恋を　心に　妬きつけたい

利吉さんが会いに来てくれるだけで私は、嬉しく感じます。

「乱太郎、愛してる。」

私を優しく抱きしめてくれて静かに囁いてくれます。

その言葉は、とても嬉しいのだけれど・・・苦しくもあります。

私も、利吉さんが好きで愛しています。

利吉さんの腕で抱きしめられて、利吉さんの胸に顔を埋めて、

この時この一瞬がずっと続けばいいと願ってしまいます。

だけど・・・

いつかその温もりが思い出になってしまう日きてしまうかもしれない。

そんな想いが頭を過ぎることがあるのです。

私は、まだ忍者のたまごだけど忍者には変わりありません。

利吉さんは、優秀な忍者です。

それでも、いつなにが起こるかわからない身なのです。

「ただいま、乱太郎。」

そう言って私を抱きしめてくれる腕に安心します。

「お帰りなさい、利吉さん。」

本当に安心して身体の力が抜けてしまうほどです。

そんな私に微笑んで利吉さんは、私の唇に触れてくれます。

何度も

何度も、触れてくれます。

そして、私は、一段と身体の力が抜けてしまうのです。

ギュッと強く抱かれて私も応えるように利吉さんの背中に手をまわします。

利吉さんの胸に擦り寄って利吉さんの温もりを感触を感じます。

「無事で良かった。」

私のそんな言葉により利吉さんの私の抱く腕が強まります。

そんな時、なぜだか安心すると同時に苦しくなります。

『私がいるからあなたは、帰ってきてくれる。』

『私は、あなたの足枷になっているのだろうか。』

二つの想いが交差してすれ違っていく程胸が締め付けられます。

わかっています。

利吉さんは、仕事と恋愛をちゃんと割り切っています。

だけど、私は・・・まだ無理なのです。

理性が感情に押され負けてしまって情けなくも途惑ってしまうのです。

私は、あなたに利吉さんに背中を任されるような存在になりたい。

利吉さんの足を引っ張ってしまうような存在にはなりたくないのです。

『あなたを失ってしまうくらいなら私が先に逝ってしまいたい。』

こんなことを言えば絶対利吉さんは、怒るので口にはしません。

だけど、私は、利吉さんを守り支える存在になりたいのです。

「乱太郎、愛している。」

そう言われる度に、その想いは、膨らんでいきます。

会っていつも抱きしめられ口付けられる度に想うのです。

「利吉さん、愛しています。」

強くなるためにも私の心にあなたをこの想いを熱く焼きつけたい。

続く

まだまだ、乱ちゃんは不安みたいです。

そして、自分を想ってくれている利吉さんが愛しくて堪らないのです。

自分のために利吉さんのために、

精神的にも肉体的にも強くなりたいと日々願って勉強・鍛錬に励んでいるのです。

そんな、一途な乱ちゃんに利吉さんは、夢中なのです。

利吉さんあまり乱ちゃんを不安がらせないで下さい。