夏休み　７

「みんな引いたな。よし、見てもいいぞ。色別だからな。」

山田先生が作成したくじは細長い棒の先に色が付いている物だった。

それでは班分けの結果を発表しよう。

白・・・庄左エ門・いぶ鬼・しんべヱ

黒・・・きり丸・しぶ鬼・金吾・喜三太

赤・・・乱太郎・虎若・伊助

青・・・兵太夫・団蔵・三次郎・ふぶ鬼

である。

虎若・伊助がみんなに睨まれたのは言うまでもないだろう。

しかし、みなに睨まれても二人は乱太郎と同じ班になれたという事に喜びをかみしめるのであった。

「それでは、みんな明日は早いからな。早く寝ろよ。」

そういって先生たちは学園長と同じ宿舎に歩いて行った。

「ずりぃよな。先生たちは宿舎かよ。」

きり丸が愚痴る。

「しょうがないよ・・・。」

諦めたように庄左エ門が答える。

『『『『『『『『『ハァ〜・・・本当にしょうがないよな〜・・・くじ運ないな俺（僕）』』』』』』』』』

しんべヱ、ふぶ鬼そして乱太郎、虎若、伊助を除く９名が心中で呟いていた。

そして、それぞれが各テントに入っていった。

白の場合

「それじゃ、僕はもう寝るね。」

庄左エ門が言った。学級委員らしく注意も忘れない。

「しんべヱ、寝る前にお菓子なんか食べちゃ駄目だよ。」

しんべヱは自分が持ってきた袋をゴソゴソとしていたのを止めた。

「やだなぁ、庄左エ門。そんなことしないよう・・・。」

はっきり言ってその言葉に真実味などなかったが庄左エ門は深く追求しなかった。

「いぶ鬼も早く寝た方がいいよ。」

「あぁ、言われなくてもそうさせてもらうよ。」

静かな会話だがどことなく２人は火花を出していた。

２人の真ん中にいるしんべヱは・・・もう寝てた。（お菓子は諦めたみたいです）

このテントでは火花が飛び交いつつもみんな早く寝た。

黒の場合

ナメクジがテントの中を這いずり回っていた。

「ちょっ！！喜三太これ連れてきたのかよ。」

「だってぇ、置いてきたら可哀想じゃない。」

きり丸が逃げる。

しぶ鬼は呆気にとられていた。

金吾もいくら慣れているとはいえ逃げていた。

「「「どうでも、いいから早く捕まえろ！！！」」」

このテントは寝るのが遅くなりそうだ・・・。

余談だが　なめくじ騒動の後　きり丸としぶ鬼のバトルのゴングが鳴った。

赤の場合

「「ねぇ、乱太郎。僕端っこで寝たいんだけど・・・」」

２人が真剣な顔で乱太郎に詰め寄った。その真剣さに乱太郎は少し後ずさりしながらも

「いいよ。それじゃ、私真ん中で寝るね。」

と答えた。その瞬間２人は小さくガッツポーズを決めた。

そんな２人の様子を知ってか知らずか（まぁ、知らんだろうけど・・・）メガネをはずしにっこりと２人に

「おやすみ。」

「・・・あぁ、おおおおおおおおおおやすみ。」

２人はいきなりの乱太郎のメガネ無し素顔そしてとびっきりの笑顔にどぎまぎしてしまった。

このテントでは１人以外ちょっと寝るのが遅くなりそうだ。

青の場合

明日何をするのか等の他愛のない話を少しした後みんな就寝。

この班が一番穏やかかもしれない。

そして、それぞれの思いを胸に波乱の朝を迎えたのであった(笑)

続く

６

８