最近私は兵太夫と一緒にいることが多くなった。

きっとそれはしょうがないって思ってるでしょ。

でもね。

もうこの計画はは組の皆（きり丸を除く）も知ってるんだ。

ほとんどの人が面白半分で手伝ってくれるみたい。

でも今傍にいて欲しいのは兵太夫なの。なんでだろうね。

やっぱり一番最初から全てを知ってる人だからかな・・・安心するんだ傍にいて。

乱太郎ってやっぱどこか抜けてるだよな。

皆がなんで乱太郎に協力的か全然理解してないんだからさ。

まぁ俺は一番最初に乱太郎の秘密を知った分かなり楽しい想いをさせてもらってるから別にいいんだけど。

例え今進行中の脚本が乱太郎ときり丸を近づかせるためだとしてもな。

だってそうだろ・・・乱太郎の奴きり丸のこと心配している気持ちの意味に気がついてないんだから。

だから俺は諦めない。今が良い機会だ。

気づいて・・・気づかないで・・・　７

乱太郎ときり丸があまり話をしなくなってからきり丸はいつもなにかを考えるようになっていた。

いつものようにバイトをこなしているのだがどこかが変である。

「きりちゃん・・・。」

乱太郎と兵太夫がすこし離れた所からその様子を見ている。

乱太郎はかなり心配そうである。

「大丈夫だよ乱太郎。」

「兵ちゃん。」

「この前の成果が出てきたってことだから。」

「本当？」

「本当だって。何？俺の言うこと信用出来ないのか。」

「そんな・・・兵ちゃんには迷惑かけっぱなしだし・・・」

小さく頭を横に振る乱太郎を兵太夫は静かに自分に方に引き寄せた。

そして耳元で囁いた。

「俺は全然迷惑だなんて想ってないから安心しろって。」

耳に微かに触れる兵太夫の息に乱太郎はふんわりと笑う。

「ん・・・くすぐったい。」

そんな可愛い表情をする乱太郎を腕の中に閉じ込めつつ兵太夫はきり丸を見た。

案の定きり丸はすごい不機嫌な顔で二人を見ていた。兵太夫はきり丸と目が合うと微かに口の端を上げた。

「ちっ！」

きり丸は二人に背を向けズンズン歩いた。

「どうしたきり丸不機嫌そうだな。今日は逢引の日なんだろ。」

「煩い。」

「おぉおぉ恐いねぇ。」

ちゃかすように言葉を投げかけてくる団蔵をきり丸は睨んだ。

「でもまぁしょうがないよな。」

「ハァ？」

「乱太郎って人気あるからな。」

「何が言いたい。」

きり丸に向かって団蔵は意味深な笑顔を見せる。

「だってそうだろ。一年の頃からずっと一緒にいたお前に彼女が出来たんだぜ。」

「だから？」

「率直言えばいつも乱太郎の傍にいた邪魔者がいなくなったってことだよ。」

団蔵の言葉にきり丸は愕然とした。

今まで乱太郎はどんな人にも優しいが誰かになびくなんてことはなかった。

只黙ってふんわりといつもきり丸の横にいたのだ。

でも今は―――――乱太郎の隣にはきり丸ではなく兵太夫がいる。

「結局俺たちは乱太郎が大好きで大事ってことだよ。」

いつのまにか傍にいた庄左エ門に軽く肩を叩かれきり丸は我に返った。

「どういう意味だ。」

「さぁ？それよりきり丸もうそろそろ時間じゃないのか。」

そう今日は乱華に会う日なのだ。

自分の可愛い彼女に会える日だというのにきり丸は浮かない顔をしていた。

脚本２：成果報告

きり丸さんどんどん不機嫌になっている御様子です。

脚本３：きり丸と乱華が別れるよう上手く仕向ける。

方法：ユキちゃん・トモミちゃんそしておシゲちゃんが捲くし立てる。

成果：次回報告

続く

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