幸せな日々　２

朝、陽も昇らぬ内から大木は畑に出る。

「ん・・・雅之助・・・」

自分の隣で温もりが動き乱太郎が重い瞼をゆっくりと開けた。

「乱太郎、まだ早い。お前は寝てろ。」

大木は、乱太郎の瞼の上に唇を落とし乱太郎の頭を撫でた。

その行為が心地良く乱太郎は、再度眠りにつくのだ。

東の空が白味を帯び朝焼けが広がる頃に乱太郎は目を覚ます。

一通りの作業を終え大木が家に戻る頃には完全に夜は明けている。

「お帰りなさい。」

乱太郎の笑顔と温かい朝ご飯が大木を出迎える。

「ただいま。」

出迎えてくれる乱太郎をギュウッと抱き締めるのはいつものことだ。

「おはよう。」

―――――　チュッ

「おはようございます。」

そして目覚めの口づけを交わすのもいつものことだ。

「ん・・・あっ・・・雅之助さん・・・朝ご飯冷めるから・・・はぁ・・ん・・だ・・め・・・」

そして乱太郎の肌に触れている大木の手が意味を持って動くのもいつものことだ。

「俺は先に乱太郎を食べたい。」

乱太郎は、大木の胸を押して強い眼差しを大木に向けた。

「駄目・・・です。いつも雅之助さんそう言って朝ご飯食べないでまた行ってしまうじゃないですか。」

そうなのだ行為が終わる頃には再度畑に向う時間になっているのだ。

「雅之助さんに食べてもらいたくて作ったんです。」

視線をそらさない乱太郎の頬を大木は大きくてごつい手で撫でた。

本当ならこのまま押し倒したいのだが大木は我慢した。さすが一流忍者。

「そうだな。」

大木の言葉にホッと胸のを撫で下ろした乱太郎だったが次の大木の言葉に胸が跳ねた。

「その代わり今日の夜は手加減しないぞ。」

頬を朱に染める乱太郎に微笑んで大木は乱太郎から離れた。

お昼に戻ってきても大木は乱太郎に触れなかった。

「いつもだったら抱き締めてくれるのに。」

深い溜息を吐きながら乱太郎はいつも背中に感じる温かさがないことを寂しく思いながら夕飯の下ごしらえをしていた。

しかしそれと同時に期待もあった。

『今日の夜は手加減しないぞ』

あの言葉が乱太郎の頭に浮かび鼓動が早くなっていく。

「今まで・・・手加減してたんだぁ。」

乱太郎は大木の手の動きや行為を鮮明に思い出してしまいハッとした。

「だぁ///・・・夕・・夕飯の準備しないと。」

頭をブンブンと横に振って乱太郎は目の前の食材に集中した。

しかし集中出来るわけもなく

「いっ・・・つう。」

包丁で指を切ってしまった。

血がジワリと出てくる指を乱太郎は口に咥え傷を舐める。

「大丈夫か。」

「ふえ？」

いつ戻って来ていたのか大木が乱太郎を背後から抱き締めた。

そして乱太郎の手首を掴まえて乱太郎の口から指を抜かせた。

―――――　ぺロッ　―――――パクッ

大木は乱太郎の唾液で濡れた指を舌で舐めとりそのまま自分の口で咥えた。

「んっ・・・」

指先から大木の舌の感触が直接乱太郎に伝わる。

「雅之助・・・もう・・・」

「まだだ。」

大木はしつこく傷を舐め乱太郎の指をグチョグチョにしていった。

乱太郎は大木の口から視線を外せず時折見せる舌先に喉を鳴らした。

「もういいだろ。」

チュッポッンと大木は乱太郎の指から口を離し唾液で濡れた唇をいやらしく舌先で舐めとった。

それを目の当たりにした乱太郎はヘナヘナとその場に座り込んでしまった。

「どうした乱太郎。」

乱太郎が感じて立てないことを知っている大木だったが素知らぬ顔をして笑った。

「ちゃんと夕飯食べて風呂に入って・・・からだろ。」

「雅之助ぇ。」

哀願する乱太郎の頭を撫でて大木は乱太郎を立たせる。

「夜になったら可愛がってやるからな。」

大木はもう感じ始めている乱太郎の中心部をスゥ-ッと撫で上げた。

「やぁ・・・ん」

乱太郎の身体はビクッ・・ンと揺れて大木の胸に倒れこむ。

大木は楽しそうに乱太郎の尻の割れ目に指をあてがってスリスリと摺り寄せた。

「ん・・雅之助・・・」

「おし、じゃ夕飯にするか。」

「そんなぁ・・・」

大木は乱太郎の火照った身体を突き放し笑顔でそう言った。

続く

平成18年9月25日

１

３（考え中）