消えない想い　６

きり丸としぶ鬼の言い合いから数日が経っていた。

『あいつなんで会いに来ないんだ。』

しぶ鬼はいい加減苛立っていた。

「どうしたのしぶ鬼？なんかイライラしてない。」

乱太郎が心配気に顔を覗き込む。そんな態度が可愛くてしぶ鬼は乱太郎を抱き締めた。

『こんな可愛い奴放っておく方が可笑しいよな・・・来ないなら本当に貰うぞ――――きり丸。』

いつもと様子が違うしぶ鬼に乱太郎は首を傾げる。

「なんでもねぇよ。」

しぶ鬼は、いつものようにソッと乱太郎の額に唇を落とした。

その時だ。

「乱太郎から離れろ・・・しぶ鬼。」

乱太郎の後ろにきり丸が立っていた。

「おせぇよ。」

「き・・きり・・丸なんで・・・。」

いきなりのきり丸の出現で乱太郎は身体の力が抜けてしまいしぶ鬼に全体重を預けている様な格好になった。

そんな乱太郎をしぶ鬼は支えるように抱き締めた。

「だから離れろって。」

「幾分離れがたくてな。」

しぶ鬼は乱太郎を抱き締める力を一瞬強めたが、次の瞬間、乱太郎の背中をきり丸の方へと押した。

まだ身体に力のはいらない乱太郎は、そのままきり丸の胸の中へと倒れ込んだ。

「遅くなってごめんな。」

「本当だぜ。」

何も言えない乱太郎の変わりにしぶ鬼が悪態をつく。

「乱太郎これからはずっと一緒だ。」

きり丸の言葉に乱太郎は目を丸くした。

「城勤め・・・は？」

きり丸はスッキリとした笑顔で言った。

「辞めてきた。」

「本当・・・に？これからずっと一緒にいてもいいの？」

潤む瞳で見上げられきり丸はソッとその瞳の雫を舐め取った。

「あぁ・・・離れない。俺はお前を乱太郎を失いたくないんだ。」

態度で示すかのようにきり丸は乱太郎を強く強く抱き締めた。

今まで抱き締めなかった分を取り戻すように。

「良かったな乱太郎。」

しぶ鬼はきり丸に抱き締められている乱太郎の頭を軽く撫でた。

乱太郎はきり丸に腕を解いてもらいしぶ鬼と向き合った。

「ごめんね・・・。」

「謝んなよ・・・謝られるようなこと俺はされてないぜ。」

「でも・・・」

乱太郎の言葉を遮りしぶ鬼は自分の唇を乱太郎の唇に軽く重ねた。

「！！！！！」

「しぶ鬼てめぇ！！」

殴りかかってきそうなきり丸にしぶ鬼は笑って言った。

「いいだろ最後くらい。でもまぁ乱太郎の最初の接吻は俺ってことになるな。」

「最初？」

「安心しろきり丸。乱太郎は綺麗なままだぜ。」

「しぶ鬼！！！」

しぶ鬼の言葉に乱太郎は顔を紅くさせ、きり丸はマジマジと乱太郎を見た。

「そんじゃ俺はもう行くわ。」

いきなりのしぶ鬼の別れの言葉に乱太郎は紅くさせていた顔を元に戻した。

「もう？」

「あぁ実はちょっと遠い国の依頼受けてんだ。これ以上出発日延ばせないからな。」

そうしぶ鬼は必ずきり丸が来ると思っていた。

でも、もし来なかったら乱太郎を連れて行こうと考えていたのだ。

しかし実際はやはりきり丸は来た。

「しぶ鬼。」

「なんだ。」

「・・・・・ありがとうね。」

乱太郎は初めて自分からしぶ鬼を抱き締めた。

しぶ鬼もそっと抱きしめ返した。そして、乱太郎を自分から離した。

「乱太郎あんまり深く自分を追い込むなよ。」

しぶ鬼の言葉に乱太郎は小さく頷いた。

「笑って別れようぜ。しんみりは性に合わないからな。」

「うん。」

「きり丸もうこれ以上乱太郎を泣かすなよ。」

「約束は出来ないな・・・愛してるからきっと鳴かせてしまうだろうな。」

その言葉の意味が判らない乱太郎は不思議な顔をしつつ“愛している”という台詞に顔を紅くした。

その言葉の意味が判ったしぶ鬼は笑うしかなかった。

「まぁ・・・ほどほどにな。」

しぶ鬼が去った後きり丸は乱太郎に問うた。

「乱太郎誰ともヤッテないんだ。」

「なんで二人っきりの最初の言葉がそれなのさ。」

「・・・いやよく貞操を守れたなと思って。」

「だって・・・昔からきり丸以外の人としたいなんて思わなかったし。」

「じゃ一人で俺の事想像しながらはヤッテたんだ。」

「な・・・なんでそういう・・・」

乱太郎の言葉はきり丸に飲み込まれた。

永く深い口付け。

「嬉しいんだ。」

「きり丸？」

「乱太郎が俺の腕の中にいる。」

「私も嬉しいよ。」

「永い間待たせた。」

「いいよ・・・これからはずっと一緒だもの。」

消えない想いはこれからもずっと二人の中で消えることはない。

終了

平成15年1月20日

５

あまりにも裏的内容じゃないので、

少しだけでも、裏っぽく↓

自慰

乱太郎はソッと目を閉じきり丸のあの低い声を思い出す。

『乱太郎。』

それだけで自分の下半身がジワッと濡れてくるのが判る。

きり丸とこういう行為はしたことはないけれどいつも夢ではしてる。

夢できり丸が愛撫してくれるように乱太郎は自らの手を指を動かす。

ピチャピチャと細く長い指を根元まで舐め回す愛しい人の指を舐めるように。

そして濡れた指で胸の紅い身を摘んでは潰しこねくりまわす。

『どうして欲しい？言えよ・・・その通りにしてやるぜ。』

「あぁ・・んぅぅ――――もっと弄って・・・舐めてぇ・・・」

『ほらもうこんなになってる・・・』

「ん、もう・・・きり丸ぅ・・・焦らさないで・・・」

濡れた指は徐々に下腹部へと移動していく。

其れはすでに立ち上がり先端では雫が滴り落ちようとしている。

乱太郎は自分の其れを弄った。

強く扱き時には爪を立て・・・。

ヌルヌルと溢れ出る白濁を指に絡め、グチョグチョと音を立てながら扱く。

「やぁ、きり丸、そんな激しく・・・はぁ・・・しないでぇ・・・」

『気持ちいいんだろ？もっと素直になれよ、乱太郎。』

聞こえるはずのない言葉を聞いて、乱太郎はコクコクと頷く。

そして次第に指はもっと後へと移動していく。

自らの指に絡めた先走りの精液と唾液を潤滑油にまずは一本躊躇いがちに浸入させた。

「ハァッ・・・ンァ・・・きり丸ぅ・・・」

『すごいなどんどん飲み込んでいくぜ。今何本入ってるか判るか？』

乱太郎は侵入させる指を二本三本と増やしていく。

『ほら、ココがいいんだろ。』

自分の指では、届くところに限界があるが乱太郎は、より奥へと指を進めた。

もう片方の手は相変わらず前を弄っている。

そして、

「んっ・・・あぁぁ――ぅっ・・はぁ・・ん。」

乱太郎は自らを解き放つ。

その行為終了後の乱太郎の一言

「・・・モノタリナイヨォ」

本当の終了