時には流されよう
「ちょっ・・小松田さん。」
何でもないように小松田は顔をあげる。
「なぁに？」
小松田の目には紅に染まった乱太郎の顔が映っている。
「なぁに？じゃないです。なにしてるんですか！」
「ん〜添い寝。」
そう此処は乱太郎が寝ている部屋である。夜中に違和感から目を覚ますと小松田がいた。
実習から帰って来たばかりの疲れの所為もあってか小松田の侵入に乱太郎は気がつかなかった。
きり丸としんべヱは、まだ実習から帰ってきていない。
「添い寝って・・・ちょ・・・ハァ・・んぅ」
小松田は乱太郎の言葉など聞こえてないかのように手を口を動かす。
乱太郎は必死に抵抗を試みるが小松田はビクともしない。
普段ホエホエしている分気づかれにくいが小松田は結構体格が良い。しかも案外力も強かったりする。
「乱太郎君って本当に抱き心地いいよね。」
乱太郎をギュウっと抱き締め髪に額に瞼に頬に耳にそして唇に啄ばむ様に小松田は唇を落としていった。
それに抗ってみるもののその抵抗は小松田の抱擁により脆くも無意味なものとなる。
「もう・・・」
乱太郎は抵抗する事を諦め素直に小松田の腕の中に収まった。
「乱太郎君。」
「何ですか。」
「乱太郎君。」
「・・・何ですか。」
「乱太郎君の体温感じるの久しぶりなんだよね。」
「それが？」
素っ気無く言葉を返す乱太郎だが小松田の言いたいことは理解していた。
「嬉しいんだよ。僕の腕の中に乱太郎君がいることが。」
「夜這いしてまで私に逢いたかったんですか。」
冗談交じりの乱太郎の言葉に小松田がニッコリと微笑んだ。
その笑顔に乱太郎の鼓動が少しばかり早くなる。
乱太郎もまた小松田の体温を感じるのは久しぶりなのだ。
嬉しさを内面に隠しつつ乱太郎は自ら小松田の胸に擦り寄った。
「乱太郎君。」
小松田は、より熱のこもった音色で愛しい者の名を囁いた。
「・・・小松田さん。」
「む〜、違う。」
皆がいる前では、乱太郎は、必ず小松田のことを姓で呼んでいる。
それがなかなか抜けなくて二人きりの時でも乱太郎は、ついそう呼んでしまうのだ。
「・・・秀作さん。」
小松田の腕の中で乱太郎は、言い慣れない名を静かに囁いた。
当然、小松田がそれを聞き逃がすはずもなく。
顔をだらしなく緩ませギュウっと乱太郎を包み込む腕を強めた。
久しぶりに会って同室の二人がいなくて夜中・・・
そうなると必然的に情事に至るのは、当然といえば当然のことである。
小松田は、自分の腕の中にいる乱太郎の顎を掴みゆっくりと自分の方へと乱太郎の顔を向けた。
そして、しだいに近づいてくる小松田に合わせる様に乱太郎は、瞼を降ろし口を僅かに開けた。
小松田は、乱太郎の淡い桜色の唇に自分の唇を重ねぬめりとした舌を乱太郎の口内へと侵入させた。
それを待っていたかのように小松田の舌に乱太郎の舌が絡まっていく。
―――グチョ・・・グチュ・・・
互いの唾液さえ逃がさぬようにぴったりと唇同士をくっ付けてお互いが貪り合っていた。
「んぁ・・・ふぅ・・ん」
僅かに漏れる乱太郎の嬌声がより小松田を煽っていた。
口付けを交わしながらも小松田は、手を動かしていた。
帯を緩め乱太郎の肩からするりと寝着を床に落とし人差し指でつつぅ〜っと背中を撫でれば、
乱太郎は、ビクッと背中をのけ反らせた。
そのままその指は、乱太郎の滑らかな肌を伝って秘部を撫で上げた。
「んぁ・・ん」
僅かに感じる刺激に乱太郎は、高い声をあげた。
そして、その瞬間二人の交わった唾液が乱太郎の口端から漏れ出す。
「もったいないよね。」
小松田は。乱太郎の舌と絡めていた舌を外しその唾液を舐めた。
そして、そのまま舌は、下へと下がり一度鎖骨辺りで止まりきつく肌を吸い上げた。
「しゅう・・・・さくさん」
「ん〜。」
「そこ・・・目立つからやだ。」
「目立つからいいんだよ。」
「そんな・・・あぁん・・」
乱太郎の訴えなど軽く流し小松田は、行為を続けていった。
相変わらず右手の人差し指は、乱太郎の秘部をゆっくりと焦らすかの如く擦っている。
それがもどかしいのか乱太郎は、無意識に小松田の太股に自分の腰を摺り寄せていた。
そんな乱太郎に小松田は、にこぉっと笑い、そのまま乱太郎の可愛い誘うような実を片方口に含んだ。
「ひゃ・・・ん」
乱太郎は、小松田の頭を強く抱き締めた。
それは、小松田がより乱太郎に密着する格好となり小松田は、遠慮なく実を舌で突っついたり歯で噛んだりチュウチュウと吸ったりした。
その度に乱太郎の頬は、上気して息が乱れた。
「固くなってるねぇ。」
小松田が弄る実は、もうツンッと固く自身を象徴していた。
「乱太郎君、気持ちいい？」
「そんなこと聞かないで・・・下さい・・んぅ・・」
「え〜気持ち良くないの？」
「そんな・・・はぁ・・ん」
乱太郎の声を聞けばどれだけ乱太郎が感じているかわかるはずなのに小松田は、拗ねたように実から唇を舌を手を離した。
「秀・・・作・・さぁ・・ん？」
潤んだ眸を小松田に向けると小松田も眸を潤ませていた。
「久しぶりなのに。」
「そうですね。」
「僕、乱太郎君が帰って来るの大人しく待ってたのに。」
「当たり前です。」
「乱太郎君にすごく会いたかったのに我慢したんだよ。」
「だから？」『それは。私もです。』
「むぅ〜、乱太郎君が素直じゃない（泣）」
「・・・まだ、足りないんです。」
「え？」
「だから、もっと私に触って秀作。」
二人の間に出来たほんの少しの距離を縮めるために乱太郎は、小松田に抱きつき自分から一瞬だけ唇を重ねた。
「乱太郎君v」
小松田は、乱太郎に応えるように乱太郎を強く抱き締めた。
乱太郎の太股の間に顔を埋め小松田は、内股に舌を這わしていた。キュゥっと甘く柔らかいその場所に吸い付くと乱太郎の身体が揺れる。
「秀・・・作さん・・・」
乱太郎が甘く耐えられないとばかりに小松田の名を囁く。
「ん、なぁに？」
「おねがぁ・・もう・・・」
「もう？」
懇願する乱太郎に微笑みながら小松田は、もう汁が先から零れている主張には触れずその周りの柔らかい場所ばかりを攻めている。
「・・・触って」
「どこかわかんないなぁ。」
小松田の態度に乱太郎は、更に眸を潤ませた。
「意地悪・・・しないでぇ・・」
「ちゃんと言って。そしたら触ってあげる。」
本当は、すごく触りたい小松田だがあえて乱太郎の口から聞きたいのだ。
小松田は、今にも零れ落ちそうな乱太郎の雫を舌先で舐め取り乱太郎の言葉を待った。
「触って・・・私のココとココ触って・・・」
恥ずかしいのか乱太郎は、小松田の両手をとり片手を既に固く反っている主張に、
そして、片手を小松田の侵入を待ち望んでひくついている秘部に添えさせた。
「どっちからがいい？」
「・・・両方がいい・・・あぁ・・・ん」
小松田は、人差し指で先から流れている先走り液を幹に反って拭い取りそのままその指を秘部にあてがい捻じ込ませた。
「ひゃ・・・あぁ・・っん・・・」
その瞬間乱太郎の主張がより硬度を増した。
「こっちもだったよねぇ。」
秘部を指で弄りながら小松田は、躊躇無くそのまま舌先で秘部を突つきそのまま玉を幹を辿りパクッと乱太郎の主張を自分の口内に含んだ。
「はぁ・・ん・・秀作さぁ・・ん・・」
「触ってなかったのにこんなになっている。」
本当に美味しそうに乱太郎の主張を咥えている姿を小松田は、乱太郎によく見えるように乱太郎の腰を足を高く上げた。
「やぁ・・・あぁ・・ん」
「やなの？」
小松田の言葉に乱太郎は、小さく頭を横に振った。
穏やかな吐息が乱太郎の主張にかかり生暖かい舌がそれを貪っている小松田の姿は、乱太郎をより興奮させていた。
―――――ぐちょ、ぐりゅ・・・
「・・はぁ・・・う・・ん」
秘部に埋め込まれていた指は、いつのまにか三本いや四本にまで増えて乱太郎の敏感なところを刺激していた。
それに呼応するように乱太郎は、小松田のそそり立つ主張に自分の視線を送り唾をゴクリと飲み込んだ。
「これが欲しいの？」
乱太郎は、頷く。
「秀作さん、私の中をあなたでいっぱいにしてぇ」
「乱太郎君の中は、僕だけの場所だからね。」
「当たり前です。」
小松田は、自分の指を抜き取り乱太郎の秘部に自分の主張をあてがえた。
「乱太郎君・・・好き、愛してるよ。」
そして、勢いよくそれを奥へと侵入させた。
「私もです。」
乱太郎がそんな言葉を口にしたのは、もっと淫らに足を広げ小松田を受け入れより奥へと感じながら腰を揺らしている 最中であった。
乱太郎が目を覚ますと目の前には。自分よりも広くて少し厚い胸板があった。そこに擦りよりもう一度瞼を閉じその感触を確かめる。
乱太郎もずっと恋しかったのだ。数日とはいえ小松田に会えないことがこんなに苦しいことなのだと改めて思い知らされた。
ふと視線を感じて眸を上に向けるとほえほえと小松田が笑っていた。
「誘ってるの？」
「違います・・・秀作さんが傍にいることを実感しているだけです。」
「やっぱり誘ってるんだ。」
そう言いながら小松田は、ふんわりと乱太郎を抱き締め頭を背中を撫でた。
「秀作さん？」
「乱太郎君は、いつもちゃんと帰って来てくれるから、僕も我慢して待っていられるんだよ。」
その言葉は、自分も乱太郎君が傍にいてくれて嬉しいっていう意味で乱太郎の身体に思わず朱が走った。
「ハハッ、やっぱり乱太郎君誘ってるでしょ。」
「秀作さん！」
「冗談だよ。」
そう言っていつものように笑う小松田につられて乱太郎もいつものように笑った。
終了
平成15年某月