涙の行方　おまけ

「お残しは許しまへんで〜。」

今日も朝から食堂のおばちゃんは絶好調である。

「いっただきま〜す。」

忍たまたちも素直に答えます。

乱太郎・きり丸・しんべヱもいつものように並んで・・・ってあれ？

今日はきり丸としんべヱと向かい合うように乱太郎そして利吉がいます。

利吉はさっそうと朝食を食べ終えて、じ〜と乱太郎を見ています。

「あの〜利吉さん？」

「なんだい乱太郎君。」

「そんなに見つめられると食べにくいんですけど。」

「乱太郎君、こんな所に御飯粒くっつけてるよ。」

なんか会話がかみ合ってないですね。次の利吉の行動に周囲はフリーズ状態です。

利吉ってば、乱太郎の頬についていた御飯粒を舌で“ペロッ”って取ってしまいました。

乱太郎も暫く固まり、いきなり“ボンッ”って赤くなりました。

『あ　赤くなった・・・可愛いvvv』

利吉の頭の中なんか変です。

「り・・・りき・・利吉さん・・ななな何・・・」

「あっ此処にもついてるよ。」

乱太郎取られる前に自分で取り、急いで朝食を食べました。

「ごちそうさまでした。」

乱太郎がそう言い終わった後、乱太郎の口端に利吉の舌がのびた。

「／／／／／／／。」

声にならない乱太郎の叫び。

「急いで食べるから口の周りにたくさんついてるよ。舐めとってあげようか？」

利吉の言葉にブンブンと頭を横に振る乱太郎。

「こ・・・こんなこと人前でしないでください。」

乱太郎は、はっきりと言った。

「ふ〜ん。では、人前じゃなければいいんだ。」

利吉さん余裕たっぷりに言い放った。

「利吉さん！！！」

乱太郎君怒ってます。

『怒った顔も可愛いvvv』

かなり利吉さんの頭の中変です。

乱太郎無言のまま食堂を後にしました。

その後を利吉さんが嬉しそうについて行きました。

「なぁ　しんべヱ。」

「何？きり丸。」

しんべヱは、何も見てないという風に朝食を食べてます。

「なんか利吉さんキャラ変わってないか？」

「そう。」

『利吉さんの想いが乱太郎に通じたんだねぇ。』

曖昧な返事の裏でしんべヱは微笑んでいた。

「乱太郎君怒ってる？」

「・・・。」

「皆にさ乱太郎は私のモノなんだよって、示したいんだ。」

「・・・怒ってないです。ただ・・・」

「ただ？」

「人前であんなことされると恥ずかしいんです。」

乱太郎が先刻よりも赤い顔で、そして上目使いで利吉を見つめた。

『可愛い〜vvv』

利吉は“ギュ〜”ってその場で乱太郎を抱きしめた。

“バッコ〜ン”

いきなり頭を殴られた利吉。振り向くと山田伝蔵が立っていた。

「何をやっとるか利吉。用が済んだのならさっさと任務に行け。」

山田にそう言われても利吉は乱太郎を抱きしめたまま。

しかし、名残惜しいが任務には行かなくてはならない。

「乱太郎またすぐ来るから。」

そう言って利吉は去って行った。

「あいつは、昔から好きなモノが手にはいると見境がないからな。覚悟しておいた方がいいぞ乱太郎。」

山田は乱太郎をチラッと見て言った。乱太郎は笑顔で頷いた。

だって　乱太郎はそんな利吉の愛情を愛しいと思ってるんだもの。

終了