中心

 

今日は先生たちの会議があるとかで授業が午前中で終了した。

 

乱太郎がトコトコ歩いていると上の教室から話し声が聞こえる。

その声に反応して乱太郎が顔を上にあげた瞬間

―――ザバァ〜

大量の水が乱太郎に降り注いだ。

「な・・・何?」

乱太郎が呆然としていると上から誰かが飛び降りてきた。

「わりぃ、大丈夫か。」

どうやら確認せずに上から水を撒いてしまったらしい・・・それが本当か嘘かは定かではない。

乱太郎は犬のようにブルブルと頭や手を振り水を飛ばす。

「はは・・・ちょうど暑かったですし。」

乱太郎は苦笑しながらそう答えたが、それでもやっぱりぐっしょりと濡れた服は気持ち悪い。

「・・・ついでだ水浴びでもするか?」

唐突な申し出に乱太郎は目を丸くするが本日は晴天、水浴びしている間に服も乾くだろうと乱太郎は顔を縦に振った。

「じゃ、行くぞ。」

言われるがまま乱太郎は小走りで先を行く人を追った。

「三郎次先輩待って下さい。」

三郎次は振り向くことなく水場へと足を進めた。乱太郎が水場に到着する頃にはもう桶一杯に水が溜まっていた。

乱太郎は早速濡れて肌に張り付いていた服を脱ぎ始めた。その間三郎次は顔を背けたままである。

「三郎次せんぱ〜い。」

乱太郎の情けない声に三郎次が顔を乱太郎の方に向けた。

「何やってんだお前は。」

肌にピッタリと張り付いている服が脱ぎ難いのだろう。乱太郎は服と格闘していた。

「水かけたの三郎次先輩でしょ。手伝って下さいよ。」

しょうがないなと言いつつ張り付いた服の上から乳首が浮出ているのが見えて内心バクバクの三郎次が乱太郎の服に手をかけようとした瞬間だった。

「乱太郎に何してんですか。」

すごい勢いで二人の元へやってきて乱太郎から三郎次を引き剥がしたのは団蔵だった。

「団蔵?」

「乱太郎に何しようとしてたんですか三郎次先輩。」

「あ、何って服脱がしてってお願いされたから脱がしてたんだよ。」

「本当か乱太郎。」

「へ?・・・えっとだからあのね・・・」

乱太郎が事の成行きを説明すると団蔵はあからさまにホッとするとともに三郎次を睨んだ。

「わざとですか。」

「んなわけないだろ。」

二人の言い合いなど無視して乱太郎が団蔵に微笑みかける。

「団蔵も一緒に水浴びしよう。」

断る理由もなく団蔵は一緒に水浴びすることに決めた。その横で鼻を押さえている者が一名。

そうもはや乱太郎は下帯一枚の格好になっていた。入道雲が浮かぶ青空の下白い肌が眩しいくらいに誘っている。

「ほら、団蔵も三郎次先輩も早く。」

乱太郎は濡れた服を日当たり良いところに乾しかなり大きい桶に入った。

「つめた〜い。」

三郎次はかなりキテイタ。そこへとどめの一言が飛んできた。

「乱太郎、下帯も脱いだらどうだ。」

その一言に団蔵と三郎次が振り向き、乱太郎は首を傾げた。

「「潮江先輩」」『『なんてこというんだこの人は。』』

「そんな不思議そうな顔をするな。お前下帯の代え持ってきてないんだろ。」

おぉっと乱太郎は手をポンッと叩いた。

『『お前もそう簡単に脱ぐなよ〜。』』

下帯を取った乱太郎のお股にはプルンと小さな子が揺れていた。はい、ここで三郎次は退場・・・。

普段お風呂場とかで見慣れている団蔵は一緒になって裸になった。

文次郎はその二人を(乱太郎しか見えてない)見ながら木陰で一休みしていた。

二人の騒ぎを聞きつけて来たのは一年は組の面々だった。あっという間に広い桶は一杯になった。

「ねぇ団蔵。」

乱太郎がゆっくりと団蔵に近づいて来た。

「どうした乱太郎。」

乱太郎はソッと団蔵の胸に手を添えた。

「ら・・乱太郎?」

遊びながらもは組の面々は二人に集中していた。

「いいなぁ。」

うっとりとそう呟きながら乱太郎はツツゥ〜っと団蔵の胸に添えていた手で胸を撫でた。

普段から乱太郎の突拍子の無い行動に慣れているはずの皆が息を飲んだ。

「何がいいの?」

兵太夫が乱太郎の肩に手を乗せ団蔵の胸にある乱太郎の手を握った。

「だってぇ、ほら。」

乱太郎は兵太夫の手を握り返し自分の胸に兵太夫の手をあてさせた。上目遣いで“ね。”などと言われて固まらない人などいるだろうか。否、いないだろう。

「兵太夫も厚いよね。いいな。私の胸板って薄いと思わない?」

実際乱太郎の身体はその歳の平均よりも一回り小さい。ふと乱太郎の目線は桶の外にいる文次郎に向けられた。

乱太郎はバシャっと水音をたてて文次郎に近づいた。今、文次郎の目の前には乱太郎の可愛い子が揺れている。

「やぁ・・・文次郎さんそんなところ触らないで下さい。」

「いや・・ついな。」

もうっと頬を膨らませながら乱太郎は文次郎の前にしゃがみ込み文次郎の胸を押してみた。

その間にも文次郎の手は乱太郎の腰を抱いている。は組の面々はまだ固まったままである。

文次郎の目は乱太郎の白い肌に咲く紅い二つの華を映していた。そしてそれに誘われるまま舌を這わそうとした瞬間乱太郎の頭に手拭が降ってきた。

「うにゃ。」

乱太郎が後ろを振り向くときり丸が仁王立ちでこちらを睨んでいた。

「ちっ邪魔が入ったか。」

きり丸は文次郎を睨みながらツカツカと乱太郎に近寄り手拭で頭をガシガシと拭いた。

「い・・痛いってきり丸。」

きり丸は乱太郎の乾いた服を取りもう片方の手で乱太郎の腕を掴んだ。

「行くぞ。」

「え〜まだ水浴びの途中なのに。」

ものすごく残念そうに言いながらも乱太郎はきり丸に従いその場を後にした。

「まぁいいもの見せてもらったし今回はええか。」

文次郎もそう呟きながらその場を後にした。は組の面々いまだすっぽっぽんで固まったままである。

 

乱太郎ときり丸が自分たちの部屋に辿り着いたのはすぐだった。

「きりちゃん・・・なんか怒ってる?」

「別に。そんなことより早く服着ろよ。」

きり丸が裸のままの乱太郎に服を羽織らせた。水浴びは影で行っていたのだが白い肌が薄っすらと赤みを帯びていた。

「きりちゃん?」

自分の胸に手を置かれ乱太郎は鼓動が早くなるのを感じた。

「お前すぐ痛くなるんだから気をつけろよ。」

「うん。」

「それとあんまり無防備に裸になるな。」

「・・・うん。」

きり丸の言いたいことが理解出来て乱太郎はきり丸の肩に自分の額を預けた。

「でもね・・・きり丸にだけだよ。自分の裸見られてこんなに恥ずかしいの。」

「そうか。」

「だってきり丸いつも物欲しそうな目で見てるでしょ。」

「それは乱太郎だろ。」

「私・・・そんな目で見てる?」

「あぁ。」

乱太郎はきり丸の懐に手をいれきり丸の胸を撫でた。バイトの甲斐あってかきり丸の胸板は厚くて筋肉がいいバランスでついている。

「私、きり丸のこの厚い胸板いいなって思ってるの。」

きり丸がその手の自由を奪い乱太郎の胸の華に唇を寄せた。

「んぅ・・・あっ・・・」

「その言葉皆に言ってるのか。」

「やぁ・・・ん・・いたぁ・・い・・」

多少の怒りを込めてカリッっと噛むと華はより鮮やかに咲き誇る。

「・・・きりちゃんの胸の中が一番安心するんだよ。」

「なら俺のことだけ見てればいい。」

きり丸は顔を上げて乱太郎の唇を自分の唇で塞いだ。

 

きり丸はわかっているは組の中心はいつも乱太郎で乱太郎は皆に優しくて・・・皆に好かれている。

しかも、乱太郎は上級生や学園外の人からも好かれている。自分だけを見てくれる日などきっと来ないだろう。

だから、きり丸は乱太郎だけを見ている。どんなに乱太郎が他の人を瞳に映そうときり丸の瞳には乱太郎が映っている。

いつも一緒にいられるわけじゃないから不安もある。でも乱太郎が一言いってくれるから大丈夫。

「きり丸。大好き。」

乱太郎は皆のことは好きと言う。きり丸にだけ“大”がつくのだ。

 

 

乱太郎の幼い性が反応するのはきり丸だけによるものだ。

乱太郎はそれに気がついている。

きり丸はそれに気がついていない。

二人の身と心が本当に重なり合うのはいつになることやら。

 

終了

 

翼さんからのリクエストでした。

 

う〜すいません。

裏リクだったのに全くと言って良いほどエロくないぃ〜。

しかも最初全然きり丸出てこないし。

いつもいつも裏なのに温くて真に申し訳ないです。

でも・・・今はこれが限界。

なんせ乱太郎ときり丸ってば十歳ですから(苦笑)

じゃ年齢あげて書けよって感じですね:汗

 

リクエストありがとうございました。

翼さんに楽しんでいただければ幸いですが・・・苦情があれば遠慮なしに言って下さいませ。