君にしか治せない　前半

ここ最近伊作さんの様子が変なの。

この前　誰かの視線を感じて後ろを振り向くと伊作さんがいて私は伊作さんに会えたことが嬉しくて駆け寄ったの。

「伊作さん。」

傍まで近づいて伊作さんの名前を呼ぶとね伊作さんにギュウって抱き締められたんだ。

なんだかよくわかんなかったけど抱き締められたから私も伊作さんの腰に手を廻して抱きしめ返した。

そのまま無言のまま抱き締められてて―――私も無言で抱き締め返してたんだけど気になったから

「伊作さん？」

そう問いかけて伊作さんの顔を見たの。私一瞬だったけど見逃さなかったんだよ。

すぐにいつもの柔らかい笑顔になったんだけどほんの一瞬辛そうな顔したの。

「ん・・・なんでもないよ。」

伊作さんはそう言って私から離れたんだけど一体何があったのかな。

伊作さんとは以前からよく目が合うんだ。

最初の頃はニッコリ笑いかけてくれてたのに　この頃視線が合うと逸らされるの。

なんでだろ。私伊作さんに嫌われちゃったのかな。

―――ズキン

そう考えると胸が痛いんだ。でも嫌いなら私のこと抱き締めたりしないはずだよね。

伊作さんどこか身体の調子でも悪いのかな。

私ね。伊作さんのことを考えると夜も眠れないの。

だから伊作さんが夜の保健当番の日私保健室に行ったんだ。

保健室の戸を開けると伊作さんすごく驚いた顔してた。

来ちゃいけなかったのかなぁ。

私が保健室に入るのを躊躇してると伊作さんが私の好きな笑顔で近づいて来てくれた。

「どうしたんだ乱太郎。」

私の目線に合わしてくれて優しく私の頬を撫でてくれたの。

それはいつもの伊作さんなんだけど　でもやっぱり何かが違う。時々フッと耐えるような表情をするの。

「どうもしないのなら戻って寝なさい。」

その言葉は当たり前の言葉なんだけど　どこか冷たくて私は悲しくて少し潤んだ瞳で伊作さんを見上げた。

「眠れないの。」

伊作さんの胸のあたりの服をギュウっと掴んで私は理由を言った。

「伊作さんのことを考えると眠れないんです。」

伊作さん私を引き剥がして片手で頭を抱えちゃった。私なにか悪いこと言ってしまったのかな。

「・・・もう無理。」

伊作さんの言葉の意味はわからなかったけど　伊作さんがなにか苦しそうなのは見てわかった。

「伊作さんどこか痛いんです・・か・っふぇ。」

だから伊角さんの顔を覗き込んで様子を見ようとした瞬間　腕を掴まれたの。

一瞬なにが起きたのかわからなくて頭が真っ白になった。

私の口が何かに塞がれてるの。それが伊作さんの唇だと気がついた時にはもう伊作さんの舌が私の口内に入って来てた。

どうしよう。頭は混乱してて舌は伊作さんの舌に絡め取られてなんだか苦しくて身体に力が入んない。

伊角さんの身体に必死にしがみつくとその口づけはより深くなってきて意識が飛びそうになった頃離してくれた。

「んっはぁ・・・」

唇が離れる瞬間なんだか恥ずかしい声が出ちゃった。

私と伊作さんの唾液で濡れた伊作さんの唇が目に付いてなんだか下半身が疼いたんだけど何これ？

私の身体は伊作さんの腰に手を廻してくれている腕で支えられいる状態だった。

「私を治せるのは乱太郎だけなんだよ。」

その言葉がなんだかくすぐったくて　でも私だけっていうのがすごく嬉しかったの。

「やっぱり何処か悪いんですか。」

嬉しかったんだけど伊作さんの身体が心配で私泣きそうな顔してたかもしれない。

「乱太郎のことを考えたり見ていたりするとね鼓動が早くなるんだ。」

伊作さんは私の手を自分の胸にあてた。そこはすごく早く脈打っていた。

「それにねここもほら。」

私の手は伊作さんの下腹部へと誘われた。そこはすごく熱くてそれに触れているという行為さえ恥ずかしいの。

「い・・伊作さん。」

「ねぇ乱太郎治してくれる？」

「私に治せるの？」

「乱太郎じゃないと無理なんだよ。」

伊作さんは本当に苦しそうだったから　そんな伊作さん見ていたくなかったから

私小さく頷いたの。

「どうすればいいんですか？」

続く

終らせるつもりだったのだがなんでか長くなりそうなのでちょいと切ることにしました。

裏開設一周年記念企画としてカップリングを投票してもらった結果が伊乱だったんです。

この結果には正直驚いてしまいました。だって私裏風味で伊乱書いたことなかったんで。

今回はあまりというか全然裏風味ではなかったのですが次回は裏風味満載です（本当かよ）