我慢なんて無理

利吉と乱太郎はある屋敷へと侵入していた。

主人の部屋にある奪われた巻物を取り返すという仕事だ。

暗闇の中移動する二人だが時々その二つの影は止まる。

「利吉さん今仕事中なんですよ。」

「だって乱太郎の可愛いお尻が目の前にあるもんだからさぁ。つい。」

利吉の”つい”はことある毎に使われる。

「仕事中なんですから我慢して下さい。」

乱太郎がそう言う傍から利吉は乱太郎の頬を愛しそうに撫でている。

そして利吉は乱太郎の可愛い唇に自分の唇を重ねようとした。

「駄目です。仕事が終わってからにしましょう。」

乱太郎は利吉の唇を片手で覆いにっこりと笑った。

その笑顔が利吉を煽るものだと理解していない乱太郎は利吉に可愛いお尻を向け進みだした。

利吉の目の前には乱太郎の可愛いお尻が揺れている。利吉は堪らず”つい”手を伸ばす。

「ひゃぁ・・ん。」

双山を鷲掴みにして揉み解し秘部を指でつつぅっと撫でると 乱太郎は声を抑えつつ鳴いた。

乱太郎は身を震わせながら自分の口に手を当てて利吉と向き合った。

「利吉さん何度言えばいいんですか。」

乱太郎は声に出さず唇だけ動かした。その唇が動くのと同時に利吉は自分の唇をそこに重ねた。

乱太郎が利吉の胸を押すが動かない。それどころか利吉は舌を入れてきた。

「んぅ・・んー・・・・。」

乱太郎は利吉の舌から逃れようと試みるが 簡単に自分の舌を絡め取られてしまった。

深くなる口づけは利吉の胸に当てていた乱太郎の手を震わせた。

『もうどうでもいいやぁ・・・。』

利吉の激しい口づけに乱太郎がそう想い始めた頃 利吉は唇を離した。

「あっ・・・」

思わず乱太郎は残念そうな声を出してしまう。

「仕事中は駄目なんだよな。」

ニヤリと笑う利吉から顔を真っ赤にさせた乱太郎は顔を逸らした。

「そ・・・そうですよ。」

身体を小刻みに震わせながら乱太郎は目的の場所へと急いでいた。

その姿を利吉は楽しそうに後から眺めている。

時折もっと早くと急かすように太股の付け根辺りを 意味ありげな手つきで撫でたりしていた。

その度に乱太郎は耐えるように立ち止まり涙目で利吉を睨んだ。

「ほら早く行かないと。」

利吉は楽しそうに声に出さないで唇を動かす。

あともう少しで目的の場所という処で乱太郎の歩みは止まってしまった。

利吉が後から乱太郎に覆い被さり耳元で囁く。

「ほら乱太郎もうちょっとで着くよ。」

「やぁ・・・ん。」

利吉の囁く息が乱太郎の耳を刺激して乱太郎は吐息を漏らした。

「仕事中は駄目なんだろ乱太郎。」

そう言いながらも利吉は器用にも乱太郎の上服を脱がしにかかっている。

「利・・・利吉さん駄目ぇ・・まだ仕事終わって・・・ないのにぃ」

「本当に止めてもいいの？こんなになってるのに辛いだろ。」

実のところ乱太郎は先刻の口付けでかなり感じてしまっていたのである。

利吉が服の上からでも存在を主張している乱太郎のそれをかるく弾いた。

「はぁっん」

静かな廊下に乱太郎の甘い鳴き声が響いた。

「駄目だよ乱太郎声出しちゃ気づかれるだろ。」

クスクス笑いながら利吉は乱太郎の口に自分の指を押し込んだ。

舌で乱太郎の背中を舐めて行為を促がす。

乱太郎は自分で楽になろうと自分のそれに手を伸ばそうとするが利吉に阻まれる。

「どうして私がいるのに自分で達こうとするんだ。」

顔は笑顔だが怒気を含んだ声質に乱太郎は身体を震わす。

利吉がこういう態度をとる時に逆らったら後でいぢめられるのである。

――――チュパチュパ―――ジュルゥ

「んぅ・・・はぁ・・」

乱太郎は涎を垂らしながら懸命に利吉の指を丹念に丁寧に根元まで舐めた。

「本当に乱太郎って美味しそうにしゃぶるな。」

乱太郎の口から指を抜き利吉は乱太郎を自分の足の間に座らせた。

乱太郎の下服はお尻の途中まで脱がされていて 可愛く主張しているそれが反っていた。

「ほらもうこんなに溢れてる。仕事中なのにいけない子だね。」

「――――――っ」

利吉が乱太郎のその先端を指でグリグリと抑えるたびに 乱太郎は唇を噛み締めた。

「声出してもいいんだよ。」

利吉の囁きに乱太郎は大きく顔を横に振った。

二人のいる場所はいつ見つかってもおかしくない場所なのである。

「ふ～ん。まぁいいけど。いつまで耐えられるだろうねぇ。」

「えっ・・・いやぁ・・・そんな・・・」

利吉は取り出した紐で乱太郎の根本を軽く縛った。

「此処を自分で弄って見せてよ。」

利吉は乱太郎の太股を胸につくくらいまで押し上げて乱太郎の手を秘部に導いた。

「ほら先走りのこれをつければ簡単に入るよ。」

利吉は乱太郎の先端から洩れている液を乱太郎の指に絡めた。

「やぁ・・・無理・・・」

「このまま見つかって恥ずかしいのは乱太郎だよ。」

利吉は乱太郎の首筋に唇をあて軽く噛み撫で上げた。

グチュグチュと音を立てて乱太郎の指は乱太郎の奥へと入っていく。

「ほらまだ入るだろ。」

利吉にうながされるまま指の本数を増やしていく。

「利吉さぁ・・・ん。もうやぁ・・ん。」

懇願するように涙で溢れた瞳を利吉に向け乱太郎は喘ぐ。

「どうして乱太郎のここは気持ちいいってヒクついているじゃないか。」

乱太郎の指が入っているそこに利吉の指も入ってくる。

迫りくる衝動に乱太郎はそれでも唇を噛み締める。

思わず自分の指を抜こうとするが利吉がそれを許さない。

利吉の指が乱太郎の中をこねくり回す度に達きそうになるのに紐が邪魔をする。

「利・・・吉さん・・もう苦・・しぃ」

「ん？乱太郎どうしたんだい。」

乱太郎の言葉を軽く受け流し利吉は乱太郎の首筋をツツゥ～っと舌で撫でた。

「はぁぁんぁん。」

乱太郎は背中を反らそうとして秘部に浸入している指が奥で引っ掛かり思わず声をあげて鳴いてしまった。

乱太郎の反応に利吉は満足そうに呟く。

「本当に乱太郎って首が感じやすいね。」

―――グチャリ

淫らな音を響かせて利吉は乱太郎の秘部から指を抜いた。

その時一緒に乱太郎の指も抜け落ちた。

「声を出して鳴いていいんだよ。」

―――ズブ・・ズブブブ

利吉がそう囁いたと同時に浸入を開始させた。

「やぁ・・はぁっ」

利吉のものでお腹が圧迫され乱太郎は何も考えられなくなる。

すべてを乱太郎に飲み込ませ利吉は乱太郎の身体を反転させた。

ふっくらとしている唇をペロリと舐め上げ耳元で囁く。

「どうして欲しい・・・乱太郎。」

乱太郎は利吉の首に腕を廻し自分のそれを利吉の腹に摺り寄せた。

「おねがぁい・・イカセテぇ。」

利吉は腰をグイッと乱太郎に押し込めると同時に紐を解いた。

―――ドクン

「はぁん。」

それと同時に乱太郎は白い液を堪らず解放させた。

「ハァハァハァ。」

利吉の肩に額を乗せ乱太郎は息を整える。しかし息つく間もなく利吉によって攻められる。

苦しみの快楽から解き放たれ今度は快楽のみの刺激によって乱太郎は利吉をより駆り立てる声で喘いだ。

「んぅ・・はぁん気持ちいぃ・・りき・・ちさぁ・・ん。」

その声は廊下中に響き渡っていた。

一通りの行為が終了し利吉は乱太郎を支えながら服を着せた。乱太郎は利吉に身体を預け何も話さない。

ここで一言いっておくがこの場所は廊下である。

「乱太郎。」

利吉に名を呼ばれ乱太郎は利吉の胸に顔を埋める。

「なぁ乱太郎。」

再度の呼びかけにも無言の乱太郎。

「機嫌直してくれないか。」

利吉が乱太郎の身体を抱き締め髪に唇を落とそうとした時　乱太郎は顔を上げ利吉を可愛い顔で睨んだ。

本人は怒っているのだが利吉の目には可愛いとしか映らない。

「こんなところで・・・見つかったらどうするんですか。」

乱太郎の頭を撫でながら利吉はニッコリと笑った。

「大丈夫。見つからないから。」

利吉の自信満々の態度に乱太郎は首を傾げる。

「その証拠に乱太郎があんなに鳴いても誰も来なかっただろ。」

そう誰も来なかった。 廊下でしかも部屋の近くでその部屋には 明かりが燈っていたにも関わらずだ。

「そういえば・・・なんで？」

疑問顔の乱太郎を抱え上げ利吉はその屋敷の主人の部屋を 何の躊躇もなく開けた。

「・・・寝てる。」

その部屋の中には普段着のままのそこの主人が 倒れるように熟睡していた。

「この屋敷にいる人皆には眠ってもらってる。」

「ほえぇ。」

利吉の言葉に乱太郎は思わずとぼけた声を出してしまった。

「私が乱太郎の可愛い姿を他人に見せるわけがないだろ。」

利吉は先刻の乱太郎の乱れた様子を思い出しながら顔を緩ませた。

「利吉さん・・・まさか巻物は・・」

「もちろんもう依頼主に返してあるよ。」

利吉の返答に乱太郎は身体から力が抜けた。

「どうした乱太郎。」

嬉しそうに乱太郎に問い掛ける利吉に向かい乱太郎は言った。

「私もう利吉さんと仕事しませんから。」

その言葉に当然の如く利吉は慌てた。

「どうしてだ。わからないような場所で こっそり息を潜めての方が良かったのか。」

利吉の言葉に乱太郎は顔を朱色に染めそして怒った。

「そういう問題じゃありません。」

しかし乱太郎の言葉など聞いていない利吉は 一人でブツブツ言っている。

「それとも人の気配のある場所で・・・しかしそれだと私の可愛い乱太郎のあの姿を見られてしまうな

ハッ!!!もしかして乱太郎お前見られている方が感じるのか。」

利吉の発言に乱太郎は握り拳を作りブルブルと震えていた。

「寒いのか乱太郎。」

「私これから絶対利吉さんと仕事しませんから。」

利吉に冷たく言い放ち乱太郎は利吉の腕から離れた。

そしてスタスタと呆然としている利吉を放って歩き出した。

後日

乱太郎は利吉にあのような行為はもうしないと約束させた。

約束してくれないともう伽(H)をしないうえに嫌いになると言ったのだ。

”嫌い”という言葉は利吉にかなりの衝撃を与え

利吉は渋々その約束を承諾した。

終了

利太郎さんからのリクエストでした。

ど・・・どうなんでしょうか（汗）

職場Hって萌えだと思うんですよね。

でも私が書くとあんまりエロくないなぁ。

利吉さんがなんか壊れてますな。

でも仕事はきっちり済ませてあるところはかっこいい（のか？）

いや本当にリクエストありがとうございました。