君の囁き
とても心地が良くてウトウトしてていつの間にか私は眠っていた。
緩やかな風が木々の葉をざわめつかせる音さえも心地良くて私は、深く眠ってしまっていた。
だから、私の頭を撫でる私の大好きな大きな手にも心地良すぎて気がつかなかった。
ふと目が覚めるとなんだか隣が温かい。
ゆっくりと視線をそちらに向けると会いたいと想っていた人が瞼を閉じていた。
忙しいはずなのにこうして私に会いに来てくれる。
自然と顔が緩み笑みが零れる。
サワサワと流れる風が頬を撫でてくれる。本当は、あなたに撫でてもらいたい。
私は傍に人がいてもいなくても深く眠れないんだ。
そう言っていたあなたは、私の傍では深く眠ってくれる。
その事実が嬉しいけれどとても心配です。
一流忍者だから心配は無用だとは思うけれど心配なんです。
睡眠は、とても大事です。
お仕事上、深く眠ってしまうのはとても危険なことだと理解はしてます。
だけど、睡眠不足のままお仕事をなさっていると考えると胸が締め付けられます。
だから、私の傍で安心して眠って下さるのは嬉しい事です。
だけど、
本当は、
ちょっと、
寂しい感じもします。
だって、せっかくあなたが私の傍にいるのにあなたの眸に私が映らないのは寂しいです。
だから、後もう少しだけ待ちます。
好きです、利吉さん。
そう耳元で囁いて起こしますので、覚悟していて下さいね、利吉さん。
そうして起きたら
私を眸に映して下さい。
私に触れて下さい。
私も
あなたを眸に映します。
そして、あなたに触れさせて下さいね。
ギュッと抱き締めてもらえるとすごく嬉しいです。
すごく嬉しくて私もギュッて抱き締め返しますね。
だから、
後、もう少しで囁きます。
好きです、利吉さん。
終了
平成17年4月14日