My hope is ……

いつもよりずっと冷たい空気にふっと目が覚める。

時計を見れば、起きる時間よりもずっと早い時間。

それでも今日は、クリスマスだから。

眠気も吹き飛んで、うきうきとパジャマを脱ぎ捨てる。

まだあの人は起きていないだろうから。

そっと部屋を出て朝食の仕度。

　　

ジングルベール　ジングルベール

　　

思わず口ずさむ歌。

大切な人とすごす初めてのクリスマスだから。

浮かれてもいいよね？

　　I hope ……

　　小さな音に目を覚ます。

　　時計を見ればいつもよりずっと早くて。

　　でも、今日はクリスマスだから。

　　大切なあの子とすごす、初めてのクリスマス。

　　思わず顔がほころんでしまう。

　　今日は早く帰れるようにしてもらおう。

　　少しでも長くすごせるように。

今日は早めに帰ってくるから、と約束してくれたから。

大急ぎでパーティーの準備。

ケーキを焼いて。ご馳走を作って。

二人分だからそんなに多くはないけれど。普段は作らない料理だし、おいしい物を作りたいか
ら。

本を見ながら作る料理はドキドキする。

また上手になったなって言ってくれるかな？おいしいよって言ってくれるといいな。

ふっくらとふくらんだスポンジケーキに白くデコレーションをして。

どんどん出来上がる料理を並べていく。

時間もちょうどいい。

早く、帰ってきてくれないかな。

　　ほんの少し、予定していた時間より遅くなってしまって。

　　大急ぎで家路につく。

　　片手には、ラッピングされた大きな袋。

　　喜んでくれるだろうか？

　　ここ数年は考えもしなかったことを考えながら選んだプレゼント。

　　あの子が喜ぶ笑顔が見たいから。いろいろと悩んでしまって。

　　そんな時。頬に感じる冷たいもの。

　　見上げた空から降ってくる、白い雪。

　

　

　「遅いなあ・・・」

　　少しずつ冷めていく料理を前に小さく溜息。

　　外は真っ暗になっていて。

　「ただいま」

　　ドアの開く音とともに聞こえる声。ぱっと明るくなる顔。

　「お帰りなさい！」

　「乱太郎、外に来てごらん」

　　玄関までかけていった乱太郎は不思議そうな顔。

　「半助さん？」

　「ほら。雪」

　　静かに舞い落ちる白い雪。後から後から降り注いで。

　「わぁー・・・」

　　伸ばした手に落ちた雪はすぐにとけてしまうけれど。それでも手を伸ばす。

　「ホワイトクリスマスだね」

　　空に向かって伸ばしていた手をそっとつかまれて。

　「メリークリスマス。乱太郎」

　　言葉と同時にふってきたキス。雪とは違ってとても温かくて。

　「メリークリスマス。半助さん」

　　ぎゅっと首に腕を回して抱きつく。

　

　

　　いつまでも、大切な人と一緒にいられますように・・・

ＥＮＤ

《貴夜しのさんのお言葉》

クリスマス限定・現代版土井乱です。

本当はパラレルで書こうと思っている設定を使っていたりします。

詳しい関係はそちらで。

まあ、つまらない話はおいといて。・・・こほん。

May people of the world be happy regardless of race, religion, or nation.

あなたに幸せが舞いおりますように。

《管理人ことモーント・リヒトの言葉》

クリスマス限定SSで自由にお持ち帰りだったので遠慮なくお持ち帰りさせていただきました。

良いですねぇ〜ふんわりと幸せな感じがすごく良いです。

乱太郎が料理・・・ということはエプロン姿なわけで・・・（妄想炸裂）

乱ちゃんも半助さんも幸せで嬉しぃ気持ちになりました。